仕事のやる気を失う40~50代 積極的「仮面FIRE」のすすめ

笑顔 FIREへの道

仕事へのモチベーションや満足度は年齢とともに下がり、50代前半で最低になります。同世代の多くは、この結果に納得できるのではないでしょうか。40~50代はどうすれば笑顔を取り戻せるのでしょう。おすすめは前向きな気持ちで「仮面FIRE」をすることです。

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目次

積極的「仮面FIRE」とは

仮面浪人

FIREとは経済的な自立 (FI= Financial Independence)と早期退職(RE=Retire Early)を合わせた言葉です。「仮面FIRE」とは、早期退職などはせず会社員や公務員を続けながら、職場の外で別のやりがいを見つけることを指します。

合格した大学に通いながら、第1志望の大学への再受験を目指して受験勉強を続けることを「仮面浪人」と言います。同じように、これまでの仕事を続けて収入を得て経済的な自立を維持しながら、職場の外で見つけたやりがいのために、前向きに学び、努力しているイメージです。

なぜ「仮面FIRE」がおすすめなのか。どのように「仮面FIRE」を実現するのか。以下、詳しく説明していきます。

仕事への意欲は50代で底に

やる気のない会社員

仮面FIREをおすすめしたい年代は40代~50代、特に50代前半です。

なぜなら、働く人のやりがいやモチベーションが年齢とともに下がり、50代前半で最低になることが多くの調査で示されているからです。

たとえば、パーソル総合研究所と法政大大学院の石山恒貴教授が40~69歳のミドル・シニア層を対象に実施した就業意識調査では、会社への満足度は50~54歳が最低になっています(パーソル総合研究所・データで見る「働くミドル・シニア躍進の実態」)。

リクルートワークス研究所の「シニアの就労実態調査」でも、仕事に対して肯定的な価値を感じる割合は50~54歳が最も低くなっています。同研究所研究員の坂本貴志さんは調査結果を踏まえ、「ほんとうの定年後」(講談社現代新書)という著書で、50代前半は「自分がなぜいまの仕事をしているのか、その価値を見失ってしまう」と指摘しています。

勤務先によって多少の違いはありますが、遅くとも40代の半ばになるころには、社内での最終的なポジションが見えてきます。55歳前後で役職定年というケースも多くあります。仕事そのものに意義を見出そうにも、役職がなくなると会社や部門の意思決定への参画は限定的になりますし、大きなプロジェクトへの関わりも部分的なものになりがちです。

なぜ仮面FIREなのか

権限や肩書などに関係なく、いまの職場でやる気や意欲を取り戻し、新たな気持ちで頑張れるのであれば、こんなにいいいことはありません。先の二つの調査でも、50代の後半以降は他者への貢献などへの価値観が高まり、再びやりがいを感じる人が増えていきます。何年か我慢してみるというのも一つの方法です。

反対にどうしてもやる気が取り戻せない場合に、最も簡単な解決策は早期退職してしまうことです。完全にリタイアするのではなく、つてがあってやりがいのある職場が見つかるのであれば、転職してしまうのも手です。

仮面FIREは、そのどちらも難しいという場合におすすめしたい方法です。FIREを実現するにはかなりの資産を準備する必要がありますが、仮面FIREならこれまで通りの給料を得られるからです。

ちなみに、FIREを目指すならどのような準備が必要かは「退職後に後悔しないために FIREまでに整えるべき5条件」という記事でまとめています。仮面FIREではなく本格的なFIREを目指したいというかたは、こちらの記事をお読みください。

仮面FIREの前提

妖精

仮面FIREで目指す姿は、本業の手を抜いて職場の妖精さんになることではありません。たとえ権限や肩書はなくなっても、やるべき仕事はきっちりとこなしましょう。

一方で、職場第一、職場中心の生活は改めます。残業や持ち帰り仕事もいとわず、何かあれば滅私奉公の精神で駆けつけ、自腹を切ってでも職場の融和を図るといったことは、もうやめましょう。

空いた時間を活用してやるのが、職場の外でのやりがい探しであり、実現のための勉強や努力です。

仮面FIRE実現のステップ

ここからは、仮面FIREを実現するための手順を考えていきます。

ステップ1:やりたいことを書き出す

まずはやりたいことを書き出します。

この段階では実現の可能性は気にしません。やりたいことそのものと、やりたいことを実現するための条件づくりが混在していてもOKです。時間ができればやってみたいと思っていたこと、かつて憧れたけれど実現できなかったことなどを自由に書き出してみます。

どうしても思いつかない場合は、「退職後にやりたいこと 6つのキーワードでやりがいを見つける」という記事も書いていますので、参考にしてみてください。

ある程度の数を書き出せたら、次に進みます。

以下は参考例です。

実現したいことの例
  • 社会保険や金融の知識を高めたい
  • 老後の資金を増やしたい
  • 学生や若い人と接する仕事がしてみたい
  • 考えたことを残したい

こんな感じで思いついたことを脈絡なく書き連ねてください。

ステップ2:実現の方法を考える

書き出したことを実現するために、具体的に何をすればいいかを考えていきます。

たとえば「社会保険や金融の知識を高めたい」ということであれば、社会保険労務士やファイナンシャルプランナー(FP)、簿記など関連する資格の取得を目指す方法が浮かびます。

調べてみると、それぞれの資格には以下のような特徴があることが分かります。

資格名難易度社会保険の知識金融・会計の知識
社会保険労務士 難   ◎   ×
FP(3級) 易   △   △
FP(2級)やや易   〇   〇
簿記(3級) 易   ×   〇

このなかで社会保険の深い知識を得たいのであれば社会保険労務士を目指すのがベストでしょうし、独立開業を考えているなら簿記を取得しておくと役立ちます。そうではなく、広く知識を得たいということならFPを目指すのがいいと分かります。

自分が目指す目的に最も合うのはどの資格かを判断します。

さらに、資格を取得するための勉強は独学かオンライン学習かスクールに通うか、どれぐらい勉強していつの試験を目指すか、など実現までの道筋を具体化していきます。

資格を取得した後は、いつごろ、どのように活用するのかも考えます。親戚や友人知人の役に立ちたい、地域の活動で活用したい、5年後に開業を目指したい、といった感じです。

「老後の資金を増やしたい」という目標も、同じような手順で考えます。先ほども書きましたが、「資金を増やす」ことはやりたいことそのものではなく、やりたいことを実現するための手段です。けれど、あまり細かいことは気にせず、気になったことをあれこれ調べてみるという気持ちで進めていきます。

資金を増やす方法として思いつくのは不動産投資、株式や投資信託、FXや暗号資産、公営ギャンブルや宝くじなどです。

先ほどの資格と同じように、不動産はミドルリスク・ミドルリターンで良さそうだが先立つ資金がないとか、公営ギャンブルや宝くじは確率もリターンも低すぎるとか、それぞれのメリットやデメリットを考えて書いていきます。

その結果、投資信託を積み立てるのがいいらしいとなれば、そのためにどこの証券会社に口座を開くか、NISAがいいかつみたてNISAがいいか、それともiDeCoにするかと具体化していきます。

「若い人と接する仕事をしてみたい」なら地域の団体に加わる、関連する資格の取得を目指すなど、「考えたことを残したい」ならブログやうnote、動画などでしょうか。

ひと通り調べ終えて具体的な方法や道筋が見えてきたら、いよいよステップ3に進みます。

ステップ3:取りあえず動き出す

ここまで来ればあまり思い悩まず、実現に向けて動き出します。

資格の取得であれば、テキストを買ってくるか、スクールやオンライン講座に申し込んでしまいます。残業がなければ平日の夜に通学することもできますし、自宅での勉強の時間も作れます。「仮面FIRE」したメリットを生かすのです。

証券会社も申し込んでしまいます。NISA口座などは開設まで時間がかかるので、申し込んだ後も商品選びの時間は十分にあります。

その時間を生かして投資の基本知識を学ぶのもいいですね。ちょっと分厚いのですが、「ウォール街のランダム・ウォーカー」という本は間違いなくおすすめできます。投資を始めたころに読んで、目から鱗が何枚も落ちてドキドキしたことを思い出します。

繰り返しになりますが、ある程度考えたら、とにかく動き出してしまいましょう。

サントリーグループの創業者である鳥井信治郎さんの言葉を借りれば、「やってみななれ、やらなわからしまへんで」の精神です。

うまくいかなければどうする?

笑顔の会社員

やってみて、うまくいかなかったり、やっぱり違うと思ったりしたときはどうすればいいのでしょう。

これもあまり思い悩まず、向いていないと思えば方向転換すればいいのです。

投下したお金や時間は無駄になってしまうかもしれませんが、その分は経験値になっています。本当に早期退職していれば「失敗できない」と悲壮な覚悟で臨まざるを得ないかもしれません。けれど、仮面FIREであれば方向転換は容易です。

やりがいを探す過程そのものが相当楽しいはずなので、きっとモチベーションも笑顔も取り戻せます。そして、いまの仕事をやめてもやりたいと思えることに出合えたら、十分な準備を前提に、定年を待つことなく本当に退職してしまえばいいのです。

昭和30年代のように、定年退職の年齢が55歳だった時代なら、鬱々とした気持ちであっても、50代からの残り数年を職場で過ごすこともできたでしょう。

しかし、いまは60歳の定年が65歳になり、70歳への延長も視野に入ってきています。50歳から65歳だとして15年、55歳からでも10年。鬱々とした気持ちで過ごすには長すぎます。

仕事はしっかりとこなす「仮面FIRE」で、人生の第2ラウンドの柱を見つけましょう!

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