ファイナンシャルプランナー(FP)3級の試験に合格すると、2級へのステップアップを考える人は多いと思います。2級はどれぐらい難しいのでしょう? 3級との違いや合格までの勉強時間と学習法を考えてみます。
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目次
受験先は2団体で5種類
FP2級の試験は、日本ファイナンシャル・プランナーズ協会(日本FP協会)と金融財政事情研究会(きんざい)が実施しています。学科試験は共通で、実技試験はFP協会は1種類(資産設計提案業務)、きんざいは4種類(個人資産相談業務 、生保顧客資産相談業務、損保顧客資産相談業務、中小事業主資産相談業務)から選んで申し込みます。
保険業界で働いているといった事情がなければ、FP協会の資産設計提案業務か、きんざいの個人資産相談業務を選ぶのが無難です。どの試験を選んでも、2級ファイナンシャル・プランニング技能士という資格を得られるのは変わりません。
FP協会の資産設計提案業務の方が、きんざいの個人資産相談業務より合格率が高いのですが、これは難易度の差ではなく、きんざいで団体受験が多いためだと言われています。どんな理由であっても、合格率は少しでも高い方が安心できるので、私は迷わずFP協会での受験を選択しました。
3級→2級で問題のレベルはかなり変わる
ここからは実際に受験したFP協会について振り返っていきます。
2級の難易度はそれほど高くないと言われますが、それはほかの国家資格と比べての話。3級ほど易しくもないので、マジメに勉強しないと本番で足をすくわれます。
2022年5月の合格率は、学科が49.2%、実技が62.11%。そのひとつ前の1月はそれぞれ41.51%、56.33%です。
以下に3級と2級の違いをまとめます。
学科では、試験時間や問題数は変わりませんが、形式が正誤(2択)や3択から4択に変わっています。
たとえば確定拠出年金についての問題なら、3級は「拠出した掛金の2分の1相当額が小規模企業共済等掛金控除として所得控除の対象となる」という文章の正誤を答えるのに対し、2級なら「通算加入期間が10年以上あれば、老齢給付金は60歳から受け取れる」「個人型年金の加入者は、個人別管理資産の額にかかわらず、脱退一時金の支給を請求することができる」など、3級より長い四つの文章から、誤りもしくは正しい選択肢を選びます。
3級の正誤なら、うろ覚えでも正解にたどり着ける可能性がありますが、2級になると、数字などをしっかりと押さえないと厳しくなります。
実技も、3級はすべて択一でしたが、2級になると計算した数字を手書きする問題も出ます。年利1.0%で複利運用しながら10年後に800万円を用意するなら、毎年の積み立て額はいくらか、といった基本的な知識だけでなく、マンションの購入費用と想定賃料、管理費、固定資産税などが示され、実質利回りを計算するなどの実践的な内容も多く出ます。
過去問→テキスト通読→過去問のサンドイッチで
ではどう勉強するかですが、私のオススメは過去問演習→テキスト通読→過去問演習のサンドイッチ方式です。
過去問は日本FP協会のウェブサイトに直近3年程度の問題と模範解答がPDFで掲載され、閲覧だけではなくダウンロードできるようになっています。これはきんざいも同じです。まずはこれを一気にダウンロードして保存し、休みの日に一番直近の回もしくは一番古い回の学科と実技の問題を時間通りに解いてみましょう。
この段階では、何点取れたかはあまり重要ではありません。問題の形式や難易度を知ることが主目的だからです。ライフプランニングや金融資産設計、タックスプランニングなど出題6分野のうち、得意と不得意の分野も把握しましょう。
ここまでやった段階で、テキストに進みます。
私が使ったのは、「史上最強のFP2級AFPテキスト」(ナツメ社)です。
テキストの学習は平日の通勤・通学や帰宅後の時間を充て、1日もしくは1週間に〇ページ読むと決めて進めました。ナツメ社のテキストは400ページあまり。1日10ページとしても1カ月半もあれば最終ページに到達できます。
情報は1カ所に集約して書き込む
次は第3ステップ。ここからが対策の本番です。
勉強を始めるときにダウンロードしておいた問題に取り組み、できなかった問題やうろ覚えの知識は、通読し終えたテキストに書き込んでいきます。
私はこの「書き込みタイプ」の学習スタイルなので、テキストに余白が少ないとちょっと困るのです。スペースが足りない場合は、大きめの付せんに書き込み、当該のページに貼っていきました。
書き込む意味は、本番直前や試験当日にこのテキストを見返すだけで必要な情報を確認できるようにするためです。1カ所に集約することで、見落としを避けることができます。
試験の当日はこのテキストを会場に持っていき、開始前やお昼の休憩中にパラパラとめくっていました。
平日にまとまった時間を取るのが難しければ、この段階の過去問演習は複数日に分けてもOKです。かかった時間はメモしておいて、トータルで試験時間を超えないよう注意します。
通勤時などに取り組むなら、過去問ではなく持ち運びやすい市販の問題集を使う手もあります。
3級と2級の試験は年に3回、1、5、9月に実施されます。3級→2級という順で受験するなら試験間隔は最短でも4カ月あるので、サンドイッチ方式の勉強で十分に間に合います。
無事、2級に合格するころには、3級合格時より知識が深まっているのを実感できるはずです。得た知識は使わないとすぐに忘れていくので、自身のライフプランを作ったり、家族や周囲の人の相談に乗ったりしながら磨いていきましょう。
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