ファイナンシャルプランナーの上位資格CFPに合格するには、どのように勉強すればいいのでしょう。私が本業の合間にどのように勉強したのかを振り返ります。
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目次
まず過去問に触れて難しさを体感
FP2級の学習法で、過去問→テキスト学習→過去問という「過去問サンドイッチ」が効率的だと書きました(「FP2級は難しい? 独学の勉強法なら過去問サンドイッチがオススメ」)。
CFPの学習でも、まず過去問を体験してみることは、難しさを体感するという意味で効果があります。ただし、3級から2級の難易度は地続きなので、いきなり過去問に取り組んでもそれなりに解けますが、2級・AFPからCFPはレベルが隔絶しているので、最初はほとんど解けないと思います。
それどころか、時間内に最後の問題まで行きつかないと思います。CFPでは、最初の段階で過去問に多くの時間を割いても、2級までのような効果は望めません。
初めて過去問をやったときは、3分の1が空欄で時間切れになりました。
時間が足りない理由は、主に2つあります。
- 知識が足りないので、すぐに正誤の見極めができず何度も設問や選択肢読み返して悩んでしまう。
- 計算や検算に手間取って時間を浪費してしまう。
このうち2の計算を速くする方法は、「電卓の使い方をマスター 計算速度アップでCFP試験に 合格」でまとめました。興味があるかたはこちらもお読みください。
テキスト優先で知識を習得
1の知識の習得で、私がおすすめするのは以下の流れです。
テキストを章単位で学習→問題集で該当部分の問題にチャレンジ→問題の内容をテキストに書き込む
試験のために読み込んだ金融資産運用設計のテキストで、定期貯金の預入期間のところを見返してみると、「自由に設定できない」という書き込みが残っています。同様に純金積み立てのところには「プラチナ、銀もOK」とあります。それぞれのメモには、問題集の掲載ページと問題番号、過去に出題された年が書き添えてあります。
ちなみに、テキストと過去問は日本FP協会の「CFP®資格標準テキスト」と「CFP®資格審査試験問題集」、問題集はFPK研修センターの「CFP®受験対策精選過去問題集」を使いました。全部そろえるとかなりの出費になりますが、ここは合格に必要な経費と割り切りました。
テキストや問題集を6課目分まとめ買いすることで、「こんなにお金を使ったのだからやめられない」と、自分を追い込む効果もありました。
設問の選択肢をテキストに書き込む
書き込みの話に戻ります。
テキストに載っている純金積立の説明には、プラチナや銀が対象になることは書かれていません。このため、先ほどの問題はテキストを学習しただけでは解けないことになります。
そこで、過去の問題で問われた内容を書き足して不足を補い、どのような点が問われるのかを頭に入れていくのです。
テキストの読み込みと問題集が一通り終わったら、ようやく本格的な過去問の演習に入ります。ここでも同じように書き込み作業を続けます。たとえば2022年の第1回(6月)の試験で出題された内容を書き込むなら、(22①)と書き添えて出題年や試験の回数が分かるようにします。
数年分の過去問を終えたころには、頻繁に問われているところと、たまにしか出ないところの濃淡がテキストをめくるだけで判別できるようになります。重点的に覚えるべき場所や、時間がなければ手を抜いてもやむを得ない部分がひと目で分かるので、直前に効率的に復習することができます。
単語カードを使って暗記作業
もう一つ、私が取り組んだのは単語カードを使った暗記です。
中高生のころを思い出し、近所の100円ショップで赤い目隠しシートがついた単語カードを買ってきて、黒と赤のペンを使い分けてゼヒものの暗記ポイントを書き込んでいきました。
通勤電車の車内でテキストを開くのも気がひけたので、この単語カードを持ち歩いてめくっていました。テキストを何冊も持ち歩くと重いので、その点でも単語カードは良かったと思います。単語カードの代わりに、スマホやタブレット端末に手書きでメモできるアプリを入れ、タッチペンでメモしていく方法でもいいかもしれません。スマホなどを使う場合も、キーボード入力は記憶に残らないのでやめましょう。
なかなか覚えられないカードには、端に蛍光マーカーで印をつけました。直前には印がついたカードだけを重点的に復習し、本番に臨みました。
学習時間はどれぐらい必要?
平日の学習時間は、午後10時~午前0時ごろの2時間程度を充てました。テキストを読んで問題集に取り組んだり、単語カードを作ったりしました。週末はほかの予定によって数時間~半日程度といった感じ。テキストの読み込みを終えた後は、本番を想定して120分で区切り、集中的に過去問に取り組みました。
1課目を1カ月で仕上げるという目標を立て、当初の半年間はトータルで500~600時間ほど勉強したのではないかと思います。
ただし、このスケジュールは相当しんどかったのでおすすめしません。本業もありますし、毎日やらないと遅れるタイトなスケジュールを組むと焦ってきます。間に合わないと思ったときは無理せず、早めに複数回での合格狙いへと舵を切ったほうがいいと思います。
試験は6月と11月の年2回あるので、2回での合格を目指すなら1年、3回なら1年半のスケジュールを組めば間に合います。
私はしんどくなってくると、「6割取れればOKなんだから」と言い聞かせていました。課目によっては6割以下でも合格できることがあるので、できなかった問題にこだわりすぎず、まずはテキストや過去問を1周することを優先しました。といっても、「CFP試験の難易度は 前半・後半6課目を徹底レビュー」の「相続・事業承継設計」でも書いたのですが、特定の項目を完全に捨てるという決断はなかなか難しいものがありました。
CFPの試験は決して簡単ではありませんが、課目合格を積み重ねていけるという利点もあります。無理せず、それぞれのペースで合格を勝ち取りましょう!
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