ファイナンシャルプランナーの上位資格であるCFP試験に合格するには、どのように勉強するのが効率的なのでしょう。急がば回れのようですが、テキストの学習に入る前に、電卓操作の基礎を身につけるとその後の学習がスムーズに進みます。
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目次
2級、AFPとは段違いの難しさ
CFPはいきなり難しくなります!
いきなりですが、CFPの過去問をやってみたことはありますか?
120分の試験時間内に、最後の問題までたどり着けたでしょうか。
まだ過去問をやったことがないというかたは、できれば「ライフプランニング・リタイアメントプランニング」か「不動産運用設計」「金融資産設計」のうち1課目の問題にチャレンジしてみてください。
最初にライフの過去問をやってみました。
計算に手間取り、時間内に3分の2ぐらいしか解答を書けませんでした。
計算問題をどう攻略するか
時間内に解き終わらない理由は主に2つあります。
- 知識が足りないので、すぐに正誤の見極めができず何度も設問や選択肢読み返して悩んでしまう。
- 計算や検算に手間取って時間を浪費してしまう。
このうち1は、少しずつ知識をつけていくことで解消できます。
問題は2です。電卓を正しく使えるようにならないと、いつまでたってもスピードアップしませんし、計算ミスもなくなりません。
実は私、我流の1本指打法で電卓をたたいていました。
ホームポジションを覚えよう
はっきり言います。1本指打法は論外です。
高校や大学で簿記を学んだ人や、金融機関で働くかたにとっては常識だと思いますが、パソコンのブラインドタッチと同じように、電卓にもホームポジションがあります。
カシオの製品を右手で打つ場合は、中央の5に中指を置き、4に人差し指、6に薬指を置きます。どのキーをどの指で打つかも決まっています。
キーの配置はカシオとシャープで違うので、最初に使うメーカーを決めたら、同じメーカーを使い続けましょう。
左右どちらの手で打つかも重要です。私は右手で練習を始めてしまったので、テストやその後も右手で打っているのですが、少し後悔しています。
右利きの人であれば、左手で電卓を操作できれば右手でメモを取りながら問題を解けるので、より時間を短縮できます。習得までの時間は少し長くなるかもしれませんが、左手で打てるようになると有利だと思います。
ブラインドタッチの練習を繰り返す
続いてブラインドタッチの練習です。
簡単な四則演算から始めて、決まった指で確実にキーを押す練習を繰り返します。パソコンのキーボードと違って多くのキーがあるわけではないので、ここはそれほど時間はかからないと思います。
書店に行くと、簿記のテキストが並んだコーナーの近くに、電卓の使い方を解説した教本も並んでいます。1冊購入すると、さらに時間の短縮につながります。
恥ずかしながら、私はCFPの勉強を始めて2カ月ほどは、我流の電卓操作で過去問に挑戦していました。いつまでたっても計算問題の時間が短縮できず、どうすればいいか分からず悩んでいました。
もっと早い段階で電卓の間違った使い方が原因だと気づけば、よりスムーズに学習が進んだことでしょう。
最大のカギは「定数」
1本指打法を脱したら、計算問題をスピードアップする最大のカギである「定数」を使えるようにします。
以下のような問題で(ア)や(イ)を求めるときに、どのように計算しているでしょうか。
(ア)は550万円の収入が年1.0%ずつ増加した場合に、7年後の収入額を求める問題です。
定数を知らなかったころ、私は次のように計算していました。
550×1.01×1.01×1.01×1.01×1.01×1.01×1.01=590(千の位を四捨五入)
でも、これだと×1.01を7回も入力しなければならず、途中で1回でも打ち間違ると最初からやり直しになってしまいます。
私が使っているカシオの電卓では、定数を知っていると、こんなふうに計算できます。
1.01××550=======590(同)
ある数字の後に四則演算記号を2回入力すると、その数字を定数として扱うという意味になります。
この定数の後に550を入力し、=を7回押すことで最初の計算と同じ結果が導けます。
最初の計算だと電卓のキーを32回押さないと答えが出ませんが、定数を使った方法を知っていると15回と半分以下ですみます。
さらに、(イ)を求めるためには、支出の基本生活費や教育費などそれぞれの項目について7年後の金額を計算して合計し、収入から引かなければなりません。
それぞれの項目に1.01や1.02を7回ずつかけていては、キーを押す回数は膨大になります。
定数の素晴らしいところは、支出の基本生活費は180万円に1.02を7回かける、教育費は80万円に1.02を7回かけるという計算を次のように続けてできることです。
1.02××180=======207
80=======92
一つ目の計算で207万円という数字が出たら、続けて教育費のもとの金額である80と=を押せば、「1.02××」という部分も省略できるのです。
シャープの場合はキーの押し方が少し違います。カシオのように四則演算記号を2回押す必要がなく、1.02×550=======でいいので、キーを押す回数がさらに減ります。
引き算でも大きな効果
もう一つ例を出します。
30-10×2を電卓でどうやって計算するでしょうか。
定数を知らないときは、こうやっていました。
10×2=20
30-20=10
最初の答えが20のように覚えやすい数だといいのですが、18.37658など桁数が多い数だと、いったん余白にメモをしないと不安です。
数字をメモして、そのメモを見ながらもう一度18.37658と入力するとかなり時間がかかります。
それが定数を使うと、このように計算できます。
10×2=--30=10
計算式の--が、10×2の結果である20を定数として固定するという操作です。
メモリー機能を使う方法もありますが、こちらのほうがシンプルでいいと思います。
10×2の計算結果を30だけでなく40や50からも引きたければ、続けて40=、50=と入力していけば次々に結果が表示されます。
この手順を覚えると、不動産や金融の計算もかなりスピードアップできます。
電卓は使いやすい製品を吟味
CFP®の問題は電卓を駆使しないと解けません。過去問の演習でもかなりの頻度でキーをたたき続けることになるので、キーの打ちやすさや頑丈さにはこだわりましょう。
ここまで書いてきたように、カシオとシャープなどではキーの配置や操作方法も違います。途中でメーカーを変えると混乱するので、どのメーカーの製品を使うかも決めて固定したほうがいいと思います。
ちなみに、私はカシオのJF-S200という製品を使っています。
家電量販店の店頭であれこれと触ってみて、重さと大きさ、キーの感触が気に入って決めました。
試験会場では小さな電卓を使っている受験者も見かけましたが、小さすぎるとミスタッチが増える気がします。
試験当日、時間がないなかで計算結果が合わず、4択のなかに導き出した数字がないと絶望的な気持ちになります。多少値が張っても、使いやすい製品を選ぶことをおすすめします。
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