実務経験がないFP2級合格者が1級を目指す場合、日本ファイナンシャル・プランナーズ協会(日本FP協会)のAFPという資格の認定研修を経るルートが一般的です。と書くと、単なる通過点のようですが、実はAFP認定の課題はかなり実践的で楽しめます。
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目次
実務経験がない人がFP1級を目指すには
AFPはアフィリエイテッド・ファイナンシャル・プランナーのことで、日本FP協会の認定資格です。アフェリエイテッドは「連携する」という意味で、上級資格のCFPと「連携して働くFP」のことです。
FP1級を目指す場合、以下の二つのルートがあります。
(1年以上の実務経験あり)FP2級合格→FP1級学科合格→FP1級実技合格
(実務経験なし)FP2級合格→AFP認定研修(※2級合格と前後しても可)→CFP合格→FP1級実技合格
金融機関や一般企業の財務部門などで働いていれば、(実務経験あり)のルートに乗ることができますが、そうでなければAFP認定を経る必要があります。2級合格者向けのAFP認定研修は、研修機関によって8000~2万5000円程度かかります。
研修の目玉は提案書の作成
提案書づくりは楽しくてオススメです。
AFP研修の目玉は、提案書の作成です。
私が受講した研修では、a.相談者のデータをもとにキャッシュフロー表をつくる b.キャッシュフロー表も踏まえて提案書をまとめる c.改善後のキャッシュフロー表をつくる、という内容でした。
キャッシュフロー表の作り方は、「キャッシュフロー表の作り方は? 資金計画で退職後をイメージ」という記事でまとめましたので、気になるかたはこちらもご覧ください。
課題で示されていたデータは、①相談内容②相談者の家族構成③現在と今後の収入見込み④現在と今後の支出見通し⑤加入する保険⑥保有する金融商品⑦住宅ローンと不動産、など多岐にわたります。
データをもとにして、下のようなイメージで長期のキャッシュフロー表を作っていきます(記載の数字は課題の内容とは関係ありません)。
私が自分の手で長期のキャッシュフロー表を作ったのはこのときが初めて。平日の夜や週末に少しずつ作業をして、1週間ほどかかりました。
単に数字を転記するのではなく、収入は所得税や住民税額を引いて手取り額にしたり、年金の支給額や控除額を導いたりといった作業をします。支出もインフレ率を加味して毎年の金額を計算します。
表計算ソフトに自動計算してもらえる部分も多いのですが、計算式の根拠の確認などで思ったより時間がかかりました。
このときの経験から自身と家族のキャッシュフロー表を作ろうと思い立ち、AFPの認定研修が終わった後にやってみました。3級や2級に向けた勉強でもキャッシュフロー表という言葉には触れていましたが、実際に作ってみることで「こうした数字を書き込むのか」と気づく点が多く、個人的には面倒というより楽しい作業でした。
老後の資金はどう確保する?
現状を踏まえたキャッシュフロー表ができたら、次は提案書に取り掛かります。
課題の相談は、ざっくり言えば「老後は大丈夫でしょうか?」という内容なので、いまの収支見通しで老後は安泰なのか、不安があるとすれば、どのように改善すればいいいのか、といったことを考えていきます。
この相談に限らず、家計を改善する方法は「収入を増やす」「支出を減らす」のどちらか、もしくは両方を組み合わせるといういずれかしかありません。
課題でも、より長く働いて収入を増やせば収支はどうなるか、資産運用など働く以外の収入増は考えられないか、保険や住宅ローンの見直しで支出を減らせないか、などを検討して家計改善の提案としてまとめ、改善策を反映した結果のキャッシュフロー表も作ります。
この作業もそのまま、自身のライフプランを考える際に使えます。いまの収入が続けば何歳で早期退職できるのか、現状で早期退職が難しいなら、収入増や支出減のためにどのような手立てが考えられるのかを具体的にシミュレーションできるようになります。
AFPの課題作成を通して、私の早期退職に向けた思考やプランづくりは格段に深まりました。
FP2級で満足できるかが分かれ道
FP2級に合格した人が悩むのは、そもそもAFP→CFP→1級という次のステップに踏み出すかどうかという点でしょう。
ここまで書いてきたようにAFPの課題自体は楽しいのですが、先を目指さないのであれば、AFPの認定研修は受けなくても困りません。
実は、私も2級に合格したらFPの勉強は打ち止めにするつもりでした。でも、面白くなければやめようと思い直してAFPの研修を申し込んでみたことが、いまとなっては良かったと感じます。新しいことを知る楽しさを手放したくないと、CFPの学習に踏み込むことを決めました。
2級から先に進むか迷っている人は、取りあえず研修だけ申し込んでみてはいかがでしょう。私と同じように面白くなって、もう少し先に進もうという気になるかもしれません。
課題自体は自身の将来を考えるうえで役立つ内容なので、研修への投資は無駄にならないと思います。
参考まで、私は以下のアーティスソリューションズ社の講座を受講しました。他社の研修と比べて受講料は安めですが、疑問点の質問も可能ですし、とくに問題なく終えることができました。
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