「会社を辞めたい」 心が揺らぐ10の瞬間【早期退職】

湖畔に置かれた2脚の赤い椅子 FIREへの道

長く働いていると、「会社を辞めたい」と心が揺らぐ瞬間があります。どんなときに退職の2文字が頭に浮かんでくるのかを考えてみます。

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目次

ポジティブ編

Kho
Kho

こんにちは。Khoです。

最初は前向きな理由を考えてみます。

「辞める」という言葉に逃避や後ろ向きのニュアンスを感じるかもしれません。けれど、前向きな理由で早期退職を選ぶ人も多くいます。

「撤退」ではなく、「転身」のために退職できるとハッピーです。

転職の誘い

転職する気がなくても、声がかかると心が揺らぎますよね。他社や人材紹介会社からではなく、社内の同僚や上司から前向きのニュアンスで「他社でも通用するのでは」と言われただけでも、ちょっとうれしくなってしまいます。

「にんげんだもの」(by相田みつを)というわけではないですが、人はだれでも承認欲求があるので、認められ、評価された気になります。

転職するつもりがないのに、「自分の価値や評価を知りたい」と複数の人材紹介会社に登録している知り合いがいました。管理職から現場仕事までいくつものオファーが来たと喜んでいました。

ところが、50歳を過ぎるとパタリとなくなったとのこと。「転職する気があるなら、45歳ぐらいまでのほうが選択肢が多くていいよ」という助言をもらいました。

Kho
Kho

もうその年齢を過ぎてしまいました!

やりたいことが見つかった

これは二つのパターンがあります。

一つは学生のころ、もしくは若いころから「〇歳になったらこれをやる」と決めていた場合。実現に向けて周到に準備を重ね、満を持して退職に至るケースです。

もう一つはある程度年齢がいったところで、やりたいことが見つかるケースです。60歳や65歳の定年まで勤めてからだと健康寿命が足りるか不安なので、もう少し早く退職したいと思うようになります。

ずっとかかわってきたNPO活動を本格的にやりたい、まったく違うジャンルの仕事をしてみたい、学び直しをしたい、起業したい、地元や田舎で暮らしたいなど理由は人それぞれでしょうが、やりたいことがあるというのは幸せです。

定年が55歳だった時代なら、一つの会社で「勤め上げる」のは美徳だったかもしれません。けれど、いまは70歳への延長が視野に入ってきています。一つの会社にこだわらず、二毛作、三毛作を目指したほうが、総体として豊かな人生になる気がします。

Kho
Kho

私が退職を目指す最大の理由はこれです。

元気なうちに10年は違うことを

やりたいと思っています。

生活費の心配がなくなった

いわゆるFIREです。憧れますね。

早期退職(RE)だけではなく、勤め人がFIRE、つまり経済的な自立(FI)まで実現できるケースとして考えられるのは、以下の4つぐらいでしょうか。

勤め人がFIREできるケース
  1. 投資や資産運用、副業で成功した
  2. 本業の給料が高くて自然に貯まった
  3. 宝くじなどで幸運が舞い込んだ
  4. 実家が裕福、相続が発生

このうち3は確率が低すぎますし、4は最初から対象者が決まっています。1か2もしくは両方の組み合わせを目指すしかありません。

1にしても2にしても短期で達成できるわけではないですし、無理にリスクを取ると失敗する恐れが高まります。

焦りは禁物です。

ネガティブ編

Kho
Kyo

実際に退職まで至る理由は、

こちらのほうが多いのかもしれません。

次はネガティブな理由です。

イヤなこと、腹に据えかねることがあって、「もう、やめてやる」という思いが沸き上がってくるケースですね。

とはいえ、勢いに任せて本当に辞める人は少ないのでは。自分で自分をなだめながら、我慢して働き続けるケースがほとんどではないでしょうか。

宮仕えのつらいところです。

不本意な配属・異動

企画の仕事を希望していたの営業職とか、開発業務をやりたかったのに生産管理とか、会社勤めでは意に沿わない配属や異動は往々にしてあります。

それでも若いうちであれば、「3年がんばってみよう」などと気持ちを切り替えることもできます。人材の育成やキャリアパスのために、会社があえて様々な部署を経験させようとしている場合もあります。

つらいのは、ある程度年齢がいってからの不本意な異動です。長く勤めていると会社の考えや仕組みが見えるので、異動先の年齢と肩書、部署を見れば「外された」と分かってしまいます。

そうなると、退職の文字がちらつき始めることになります。

転勤・単身赴任

転勤辞令を見て慌てる男性

これも若いうちと年齢がいってからでは意味合いが違ってきます。

若いうちの地方勤務はキャリアパスの一環ということもよくあります。

年齢がいってからでも、支社長など役職がついた転勤なら先の可能性がありますが、肩書なしでの異動だと行ったきりになるかもしれません。

もしそんな立場に立たされたて、それでも辞めるわけにいかなければ、重松清さんの「ニッポンの単身赴任」(講談社文庫)を読んでみてください。国内外の単身赴任者を取材したルポルタージュで、哀愁を漂わせつつ前向きにがんばろうとする人たちの姿に元気をもらえます。

最近、一部の大手企業は「転勤なし」という働き方を打ち出し、学生や若い人たちの支持を集めています。特定のプロジェクトのための長期出張ならともかく、「キャリアパスだから」という理由での転勤やジョブローテーションは、どんどん支持されなくなっていくのではないでしょうか。

低評価・懲罰

これもつらいですね。

特に減点主義の会社だとマイナスの評価が長くついて回るので、退職という文字が浮かびがちです。加点主義の会社ならその後の仕事で取り戻せる可能性があるため、一時的なマイナスはあまり気にせずすみます。

長く働いていると、順調に出世していた人がつまづき、ときには自ら辞めていくという場面を見聞きしすることがあります。

セクハラやパワハラへの目が厳しくなっているので、最近はハラスメントでキャリアを失うケースが増えている気がします。

役職定年

役職定年が設けられている会社だと、たとえば55歳を境に突然、会社や部門の大きな戦略を決める場に加われなくなります。

これまで見られていた資料の閲覧権限がなくなり、メールの数が激減すると、「外された」という思いが募ります。

以前に、役職を外れて異動してきた先輩から「なぜこの部署はこれほどメールの数が少ないのか」と尋ねられたことがあります。実際は少ないわけではなく、権限者やプロジェクトのメンバーではないので宛先やccに入っていないだけでした。メールやメッセージの減少は、はっきりと目に見えるだけにつらいところです。

それでも、60歳定年なら5年間なのでがんばれるかもしれません。

けれど、65歳や70歳定年だとそこから10~15年もあります。気持ちを切り替えられればいいですが、鬱々とした気持ちで耐えるには長すぎる気がします。

業績不振

働き続ける気持ちはあっても、勤務先や働く業界そのものの先行きが暗くて将来の展望が持てないということもあります。ギリギリまで沈みゆく船にしがみつくか、早めに新しい世界に飛び込むか、判断を迫られる状況です。

1997年、四大証券の一角だった山一證券が廃業しました。当時の野澤正平社長が「社員は悪くありませんから」と号泣する場面はインパクトが強く、いまも時々テレビなどで映像を見ることがあります。それでも、社員の多くは直前まで「まさか潰れることはないだろう」と思っていたそうです。

最近は早期退職を募集する会社が増えています。「黒字リストラだと言ってるし大丈夫」と悠然と構えていたら、「ゆでガエル」になるかもしれません。万が一の事態も想定して、様々なシミュレーションをしておいたほうが安心です。

安易にやめないほうがいいケース

最後は安易に辞めないほうがいい場合を考えます。

深刻であるがゆえに、むしろ退職の文字を頭から振り払ったほうがいいケースです。

体調の悪化

心身の不調で休職した場合は、「会社や職場に迷惑をかける」と落ち込んだ気分になりがちです。退職の文字が浮かんでくるかもしれませんが、安易に辞めるのはNGです。

勤め続けていれば一定期間は安定的な収入が得られます。社会保険の面でも様々なメリットがあります。体調が優れないのに退職すると再就職もままなりません。

「自分の健康を守る」という観点を第一に考え、辞めないほうがいいと判断したら「こんなときはお互いさま」と気に病まないようにしましょう。

会社への迷惑より、家族や自身の生活が第一です。

家族の問題

親の介護をする夫婦

典型的な家族の問題は介護です。

5年に一度の調査なので少し古いのですが、総務省の2017年就業構造基本調査によると、介護を理由に離職した人は調査対象の1年間で9万9千人もいました。うち8割は女性でした。(https://www.stat.go.jp/data/shugyou/2017/pdf/kgaiyou.pdf

心身の不調による休職と同じく、介護にはあれこれとお金がかかります。雇用保険の介護休業制度などを利用し、体力や気力とも相談しながら、何とか辞めずにすむ道がないかギリギリまで模索しましょう。

自身の老後の備えが整っていないのに退職すると、後になって後悔することにもなりかねません。

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